デッドリフトやるなら(簡潔)

弊学向け、初心者向けでデッドリフトについてどういう意識をすれば良いかをまとめてみました。

 

実際は他のサイトを調べた方が有意義だと思いますが、ネットサーフィンする程のモチベーションがわかない弊学の人のために、足がかりとして役に立てばなあと思います。

 

なお、デッドリフト(ナローデッドリフト)はスクワットよりも身体的な面で習得が難しいです。

初心者が床から引くと柔軟性の問題やヒップヒンジの不慣れから、適切にハムケツをストレッチしきれずに背中や腰で挙げてしまう人も少なからずいます。

そういう訳で床から引くことがどうしてもできない場合、ルーマニアデッドリフトの方をお勧めします。

 

ルーマニアデッドリフト(RDL)は一度挙上したバーを地面につけないまま挙げ続けるものです。

 

ルーマニアデッドリフト

https://youtu.be/PS_h7NONaJw

デッドリフト

https://youtu.be/YXvcaAAToKo

 

こういう感じで詳しい解説がなされた動画があるので、正直他に書くことがあるのかという思いはあります。

 

0. まとめ

最初に簡潔な意識の仕方をまとめます。

スクワットと同様で、細かい部分は端折っています。

 

なお、普通のデッドリフトもRDLもあまり意識することは変わらないので前者に準拠して書いていきます。

 

<セッティング>

1. 肩幅かそれより狭い程度に足幅を設定する

2. 肩幅かそれより少し広い程度に手幅を設定する。

3. お尻を後ろに突き出し上半身を前に倒す

4. 背筋を一直線になるように意識し、胸を張る

5. バーは脚に擦り付ける

6. 腹圧を入れる

 

<挙上>
7. バーは最初から最後まで脚に付けながら挙げる

8. 胸の張り、背筋、腹圧を常に維持する

9. 膝下あたりまでは地面を蹴るように膝関節を伸ばす

10.膝上では後ろにやったお尻を前に戻す

11. 挙げ切った時はお尻の筋肉を締め切る

 

<その他>
12. 戻す時も脚につけながら戻す

13. 胸の張り、背筋、腹圧は戻すときも維持する。

14. 膝上まではお尻を突き出すように降ろし、膝下からは膝を気持ち前に出してやるように降ろす。

 

14個書きましたが、最後の3つは同じことを書いてるだけです。

 

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1. デッドリフトでは足幅を広げる事もよくありますが(スモウスタンスデッドリフト)、ハムケツ背中をターゲットに鍛えるなら肩幅くらいの方がいいです。

 

2. 手幅を広げることで背中へのアプローチが強くなります。RDLではあまり問題はありませんが、床引きではより腰を落とすか上体を倒すかをしないといけないので、初心者がやるならまずは肩幅からのほうがいいです。

 

3. スクワットでも取り上げた「ヒップヒンジ」のことです。デッドリフトや他にもベントオーバーローイング、クリーンやスナッチなど数多くの全身種目は、これが大なり小なりできないと満足にトレーニングができないと言っても過言ではありません。

 

4. 挙上中ではこれらを常に維持しなければならないため、挙上前から行います。ここでの胸を張るとは、肩甲骨を締めるというよりは背中上部の背骨を伸ばすことを意識します。猫背の人は意識するのが難しいかもしれません。

 

5. デッドリフト中は常に下半身にバーをつけた状態で挙げていきます。4を意識しながらの場合、脇を閉めるように近づける形になると思います。因みに、体にバーを寄せるのは主に広背筋によって行います。

 

6. スクワットと同様で腹圧はとても大切です。デッドリフトでは上半身、特に背筋へのアプローチが強いためより腹圧の重要性が高くなります。デッドリフトではヒップヒンジと腹圧が出来なければおそらく腰を痛めます。

 

7. 5の続きです。セッティングの時は付いていても、いざ挙上を始めると意識が抜けてバーが離れてしまうというのはよくあります。バーが脚から離れると、背骨がさながら釣り竿のような状態になり、とても背中への負担が大きくなることは言うまでもありません。原因はセッティング時から既にバーが離れていることや、挙上の際に上半身の連動が出遅れて前傾しすぎること、早い段階で膝が伸びきってしまうことなどがあります。

 

8. 3,4,6の維持です。挙上中の胸の張りに関してはそこまで重要でない(結果的に出来なくてもそこまで支障がない)と思われます。ただ、背筋を伸ばす(背中の下部)ことはヒップヒンジの維持に重要で、ここの意識が弱いと挙上中に腰が引けてへそが太ももから逃げるようになります。こうなるとハムストリングや大臀筋のストレッチも緩んでしまい、これらを利用して挙げることが難しくなります。3でいうハムケツを意識した挙上はもちろん重要です。

 

9. 体格によりさじ加減が異なるので膝下はあくまで目安ですが、最初は地面を蹴り出してバーを浮かせるイメージで挙げ始めます。床引きでは下腿と膝が少し前に出ており、この動作で下腿が垂直になります。これは個人的な感覚ですが、ここで蹴り出しができないと代わりに股関節を使いすぎるため、結果的に背中で挙げることになるのではと思います。なお、RDLではこの動作は行いません。

 

10. これはそのまま後ろに出したお尻を前に戻す動作です。(股関節伸展) 7,8,9ができればスクワットとほぼ同じなので割愛します。でも大事です。

 

11. デッドリフトでは最後に直立した状態になります。この時、胸を張り、お尻を収縮させきるイメージで直立の体勢です。ここで更に引こうと腰から曲げると腰を痛めるリスクがあるのでやめましょう。


12,13,14. 戻す時は挙げる時の逆の動作をします。特に初心者の場合、この動作でしっかりハムケツをストレッチしながら降ろすことでよりデッドリフトの旨みを得られます(ネガティブトレーニング)。RDLの場合床引きと違いフォームの再調整ができないので、ここで12,13,14を意識してゆっくり戻さないとフォームが崩れ、2回目以降の挙上で腰の負担が大きくなります。トレーニングの進行の上ではある意味戻すという動作が一番大事です。

 

<余談>
ハムストリングの肉離れの原因には急激な伸展に対して筋繊維が耐えられなくなるためという説があります。ボディメイクであれ競技力向上であれ、ウェイトトレーニングは挙げる動作(ポジティブ)だけではなく戻す動作(ネガティブ)についても理解する必要があります。スクワットやデッドリフト、レッグガール、グルートハムレイズなどでハムストリングの伸展を意識すれば、結果的に肉離れの予防になったりならなかったりするかもしれません。逆に、短期的にはハムストリングを消耗するトレーニングでもあるので、強度の高い他のトレーニングと併用すると肉離れのリスクは高まるかもしれません。

 

今回はナロースタンスデッドリフト(コンベンショナルデッドリフト)と、それに準拠したルーマニアデッドリフトについて持っている知識と意識で書きました。ワイドスタンスデッドリフト(スモウスタンスデッドリフト)という足幅を広げて行う種目もあり、これは内転筋にも強く刺激を入れることができます。

 

背中で引くデッドリフトというのもあり、これは所謂「ぶっこぬき」と呼ばれるもので、釣竿のように背中が曲がった状態で挙上します。これは意識するというよりは個々人の挙げ方のクセみたいなところがあり、色々な理由でこちらの方が高重量を挙げやすい人はけっこういます。が、目的が単に下半身と連動の強化であるならばこれをなるべく避けた方がいいでしょう。あまり重量に拘りすぎない方がいい理由の1つがこれであり、まずは目的に沿ったフォームを作るのが第一です。

 

<さいごに>
スクワットとデッドリフトは違いはありますが、ハムストリングと大臀筋の強化という意味合いではおよそ一致しています。どちらもやってみて、よりやりやすいと思う方を重視するのも良いと思います。個人的にはどっちもして欲しいです。

これもかなり突貫で書いており、今回は個人的にスクワットよりもふわふわしたイメージのデッドリフトについて書いているので、また訂正するかもしれません。