トレーニングセットの組み方(2)

今回は1種目に着目したセットの組み方を書いていきます。

普通の重量でフルレンジが可能、かつ追い込むことが有効なトレーニングする場合に限定してピックアップします。それ以外のものについては次回に書きます。

前回はメインセットについて、それももっとも負荷の高いものについて書きましたが、アップとは別にそのお膳立てを用意したり、逆にキツいセットを反復したりと色々なバリエーションがあります。

 

<メインセットの種類>

メインセットとは、大雑把に言えばアップではないセットのことであり、特定の目的を元に設定したセットです。

実はセットの組み方は意外にも多くあります。僕が知っている限りで紹介していきます。

(MAXが120kgくらいで例を考えていきます。)

 

  • ストレートセット

例) 100kg 5reps→100kg 5reps→100kg 5reps

同じ重量、同じ回数で複数セット行います。恐らく一番ポピュラーなセットの組み方だと思います。

始めのセットで目的の重量を扱い、疲労がない状態で挑めます。また、目的の重量を多く扱えます。

しかし、目的の重量を扱うまでに体を温める程のボリュームを積みにくいので、故障のリスクがあります。また、このセット自体が自分にとって限界である場合、2セット目以降は同じ回数をこなせる可能性は低いです。筋肥大を目的としていない限り、その後のセットで回数が減ってもあまり問題はないと思いますが、とはいえ、始めから追い込むようなものだとその後のセットは十分なものではなくなります。

したがって、ストレートセットの場合、1セット目であと1,2回は挙がる程度のものに設定した方がいいと思います。

  • アセンディングセット

例) 90kg 6reps→100kg 5reps→110kg 3reps

重量を段々と上げてセットを行います。回数は特に決まりがある訳ではないですが、最後のセットでヘトヘトになったり途中で追い込みが発生するような回数では行いません。

この場合、アップが多少適当でもメインセットで徐々に重量を上げていき、安全にトレーニングができます。

しかし、アセンディングセットでは目的の重量を扱う時点でそれなりに疲労が溜まってしまいます。また、どの重量を扱うとどれくらいの回数が良いかと言うのをより細かく把握する必要があるため、メニューのセッティングはスタンダードセットよりも面倒です。

妥協案として、すべてのセットの回数を最後のセットで行う回数に合わせるというのもありです。負荷は減りますが、目的の重量を疲労なく望め、かつ安全に行えます。

  • レストポーズ法

例) 110kg 2reps→110kg 1,2reps→110kg 1,2reps→110kg 1rep

 筋力アップの場合、85%1RM~90%1RMほどの重量で行います。(例は90%1RMよりちょっと大きい)セット間の休憩は20秒ほどですぐに次のセットを行います。

1セットでは到底こなせないような回数をひとまとめに行えることや、2分ほどでしっかりした負荷を与え追い込むことができるため、時短として使うこともできます。

ただ、扱いに難がある高重量を何回も短時間で行うのは技術的に難しい面があり、普通のセット以上にケガをしやすいセットのため、慣れた人でないとオススメできません。また、スクワットやベンチプレスではセッティングまでに時間がかかるため、直してラックアップしてを短時間で繰り返すこのセットとは相性が悪いです。

デッドリフトやベントオーバーロー、その他ある程度高重量で扱えて地べたに重りを置ける種目はレストポーズ法で出来るので試してみてください。

亜種としてクラスタートレーニングというものもあります。1セット目の回数を控えめにして2セット目以降の回数を増やすものです。

  • ウェーブローディング

Part 9 「ウェーブ・ローディング」 | That's トレーニング | DESIRE TO EVOLUTION | DNS ZONE

重量を波のように変動させつつ徐々に強度を高めていくトレーニングです。重たいものを持った後に軽いものを持つと、活動後増強と言って通常よりも軽く感じられる作用がありますが、これを活用したトレーニングです。

筋力や瞬発力アップの際に、高重量を扱いつつ負荷も増やすことがあるので隙のないトレーニングです。

しかし、6セット行うものなので必然的に時間を食うことになります。1回で全身をトレーニングする場合にこれを採用するのは難しいかもしれません。

 

他にもディセンディングセットやそれに派生したドロップセットは有名ですが、これは筋肥大に特化したメニューであり、かつそこまで短時間でこなせないものなのであまり採用しにくいというのが実情です。

 

<メインセットは何セットいるか>

 特定のセットで固定されているものはありますが、多くのやり方ではメインセットは決まっていません。

ただ、追い込むセットは基本的に2セット、多くても3セットでいいと思います。メインセットを通して追い込まない、最後のセットだけ追い込むという場合はその限りではなく、この場合は5セット程やることもあります。

 

<アップはどれくらいやればいいのか>

ウェイトトレーニング前には原則ウォームアップを入れるものですが、この記事で言うアップは種目毎のアップを指します。トレ前のアップについてはあまり詳しくないので割愛します。(僕は股関節と肩甲骨周り、胸椎をほぐせたらすぐに始めます。静的ストレッチは出来る限り避けていますが、どうしても必要な部位は弾みを入れながらストレッチします。雰囲気でやってます。)

アップは扱える重量が重いほど長くやることになります。

僕がストレートセットのスクワット前にアップをやる場合、

20kg(バーのみ)→60kg→100kg→140kg→...

と40kgごと(50kgごとの時もある)に上げていき、目的の重量に達したらメインセットを始める、という風にしています。ベンチプレスなら20~40kgごと、ショルダープレスなら10~20kgごとと、扱える重量によって上げ幅は変えていきます。

一番最初にやるアップは高回数でフォームを意識しながら行い、それ以降は体に重量をならせる程度に気が済むまで挙げています。

 

<トレーニングセットの実際>

実は上の通りにストレートセットでやるとかなり時間がかかります。内訳は省きますが、複数人でアップをしながら行うと1種目で20分以上はかかり、セット数やレストの長さによっては30分かかることもあります。

アセンディングセットはメインセットでも重量を上げていきながら、途中のセットはアップとしての役割も果たします。目的の最大重量まで上げたらストレートセットにするという小回りの良さもあるため、個人的にはアセンディングセットをメインに取り組むことをお勧めします。